毛皮族 ヌッポンドエロイナ偉人歌劇『銭は君』本多劇場

毛皮族は去年の12月に続いて、2回目の観劇。
劇場の前で開場を待っていると、老若男女いろんな客層が混在していて友人と面白がる。開場してすぐ劇場に入ると、初日に完売したはずの5周年記念DVDを緊急入荷したらしく10枚限定で売っていたので、購入。ボックスティッシュも付いてきた。演劇を観る時は記念として必ず買っているパンフレットも購入。毛皮族の公演では初めて作ったパンフレットのようだ。
席に着くと、前のほうではあるけれど、端寄りでちょっと残念。開演10分前ぐらいからジュンリーこと江本純子さんとお付き(?)の2人が現れて、ロビーで販売しているグッズの紹介。そして1日1冊限定の総キャストサイン入り台本のオークション。7,000円からスタートで誰も手を揚げなかったのだけど、ジュンリー相川七瀬を一曲披露して、男性客が最終的に10,000円で落札。
そして、開演。
どういうストーリーかというと、自分ではとても説明できるようなものではないので、パンフレットから抜粋すると、

すと〜り〜
目指すは銭の偉人!世界の偉人!
2人のアイドル(どうもと)が巻き起こす、
愛・金・女・男・欲・銭・銭・銭・神・神・罪・銭・君。
一幕
ここはヌッポン、銭の国。愛の欲望渦巻く銭の吉原遊郭で、銭遊女達と夢と現か一夜の恋物語を紡ぐ、銭源氏。口なしの銭殺油地獄、病弱の銭油、待ちこがれる女銭蜜、笑い声の止まない銭笑狂らと次々とアバンチュールラブを繰り返す。
一方、「笑いで世界を救済すること」が神からの使命と、コメディアンになると息巻く少年・柏木。幼馴染みの銭乙女にコケにされながらも、ひたすら純粋に、笑いのために生きることを決意する。
現世。青年になった柏木はバイト先のショーパブで人気絶頂のコメディアン・ゼニー北川と出会い、弟子入りする。同じ店内には、膨大な借金を抱える、ハートダーツの色男・安田も現れ、何やら騒がしい痴話喧嘩の様相。安田にフラれた薄幸の女、イキウメを「笑わせて」助ける柏木、「笑いで世界を救済するために選ばれた」という自分の神性に、ますます自信を持つ。
吉原では相変わらずモテモテの銭源氏も、現世ではただの借金まみれ、ちゃらんぽらんな安田。柏木の幼馴染み・銭乙女ことラブリー園子のヒモ。2人の関係に激しく嫉妬する銭殺油地獄。現世と吉原が交錯し始め、混乱の兆し。(気にしないで)
再び現世。ゼニー北川の妻、マリー宗男の誕生日パーティーでの出来事を発端に、日に日に強まる柏木の選民思想がついに爆発する・・・。
二幕
教会。祈りの場所に訪れる、借金地獄に苦しむ安田とゼニー北川を殺した柏木。2人の告白が始まる。

観ていない人がこれを読んで、果たしてどんなステージか想像がつくだろうか?実際に観た自分でも、なんとなく「そういうことだったのか」とわかるぐらい。でも、そういうことはもうどうでもよくて(?)、やっぱり相当楽しくて愉快なステージだった。
前回は前知識がほとんどない状態での観劇だったので、あまりにも多い女優軍に誰が誰だか混乱させられたのだけど、さすがに今回は落ち着いて見ることが出来た。それでも1人多役なので、どうしても混乱することがあるのだけど。
ジュンリーは主催としての貫禄ばっちり。町田マリーさんは初の少年役らしいけど、キュートで女の子にも見える。そして何より、ゲストの澤田育子さんと富岡晃一郎君のキャラのインパクトが凄すぎて、もう最高。富岡君はこの前の宇宙レコードの公演で初めて観たのだけど、その見た目とはうらはらに(失礼)とても面白い演技のできる人だと思う。
終盤のジュンリーの独白は、なんだか実際の心の叫びにも聞こえて、ホロリとされられた。
今回はステージの舞台装置や衣装と小道具にもさらにお金がかかっているなぁと思った。
全ての劇中歌が(たぶん)オリジナルで、最後のオマケの『すりガラスの二十代』が帰りの電車の中で耳に残っていて、帰宅してから買ったDVDにPVが入っているようで、買っておいて正解だったと思った。(まだ見てないけど)
ただ1つだけ。プレオーダーで予約した自分の席よりも、友人の当日券の補助席(パイプ椅子)のほうが中央寄りで花道にも近く、どう見てもいい席なので、軽いショックを受けたのを追記しておこう。
(この「どの席になるかわからない」という席順システムというのはどうにかならないものかな)
毛皮族の今後の関東公演の予定。
5周年記念グランドレビュー公演2005年12/7〜11@東京キネマ倶楽部
次回本公演「タイトル未定」2006年7/21〜30@本多劇場
(参考)第12回公演『キル!キル!「お化けがでるぞ!!」』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20041205