グッドナイト スリイプタイト@PARCO劇場

三谷幸喜氏の最新作。中井貴一氏と戸田恵子さんの2人芝居。
三谷作品を観るのは久しぶりで、この日記で調べると昨年は観ていなくて、2006年の東京ヴォードヴィルショー『エキストラ』以来。パルコ劇場に行くのも2005年の『なにわバタフライ』以来だった。
ある夫婦が出会ってから10240日目に別れることになった経緯を、時間軸を行ったり来たりしながら見せる。登場人物はほぼ2人だけで、舞台はベッドルームのみ。大笑いする場面も、激しく感情を揺さぶられるシーンもないけれど、そのシーン全てが二人の別れという結末への伏線となっていることを思うと、じわじわと効いてくる。
その時はわからなくても、後になってから思い出せなくても、ありふれた日常も、個々を繋げて見ると、ドラマティックなシーンに見える。
既婚者と未婚者では観た時の印象も違うのでないかな。
パンフレットの中の三谷氏の言葉に「僕は演劇を作るときには「演劇でしかできないことをしないと意味がない」」というのがあって、自分の「演劇を観るときにはその場でしか見れないものを観たい」というのにちょっと似ていて、好感を持てた。