ポツドールvol.16『激情』@本多劇場

自分は2004年初演とテレビドラマ版は見ていないので、今回が初見。毛皮族町田マリーが出演。
劇場のほぼ中央という舞台が見渡せる、なかなかいい席。

(チラシより)
閉ざされた田舎町の一軒家。
そこで人間の醜さが露呈されていく・・・。

前半はこの劇団にしてはなんだか普通だなぁという感じだったけど、タイトルを挟んでの後半でがらりと変わる。
ポツドールでこれまでに見た作品は「自分とは違う世界」として見ていたのだけど、地方特有の人付き合いや差別を実際に身近に感じる程の田舎で生まれ育った自分にとっては、田舎を出てとっくの昔に忘れたと思っていたはずのあの嫌な感じを思い出してしまい、結末がズシっと重く圧し掛かる。これまでで一番の後味の悪さ。
vol.14『夢の城』の観劇後、この日記で「彼らは目に見えて最低な人間であって、本当に最低な人間というのは普段は最低であるようには見えないように自分は思う。」と書いたけど、今回の作品をちょっと表しているようで面白い。
本多劇場でなくても、小さな劇場でもよかったかな。それと町田マリーさんの出番がもう少し多ければ。

(参考)ポツドールvol.15『恋の渦』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20061210
(参考)ポツドール特別公演『女のみち』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20060709
(参考)ポツドールvol.14『夢の城』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20060312
(参考)今日の作品を観て思い出した本。
東野圭吾『悪意』